自動車を運転するには、登録手続きを行い、有効な検査証とナンバープレートの交付を受ける必要があります。

この記事では、自動車登録の一般的な流れとポイントを詳しく解説しました。

自動車登録の手続きは、登録の種類や各自状況によって多少異なる部分がありますが、まずは自動車登録とは何なのかその大まかな全体像を理解することが重要です。

初めて自動車登録をするという方はぜひ一読してみてください。

自動車登録とは?

自動車登録は、ナンバーのない新車や中古車を購入した場合(新規登録)や売買などで譲渡・譲受した場合(移転登録)だけでなく、引越や結婚で住所・氏名などを変更した場合(変更登録)も必要です。

また逆に、自動車の使用を一時的にやめる場合や解体などで再使用しない場合(抹消登録)も登録は必要です。

手続きの窓口は?

自動車の登録窓口は使用者の住所地を管轄する運輸支局(陸運局)となります。

所有者の住所地ではないという点に注意が必要です。例えばローンを組んで購入した場合などは所有者がディーラーとなり、所有者と使用者が異なってきます。

また、軽自動車の場合は運輸支局(陸運局)ではなく「軽自動車検査協会」が窓口となります。

 

登録手続きの流れ

ここでは、新規登録の大まかな流れについて解説します。

具体的な手順は以下の通りです。

  1. 警察署で車庫証明を取る
  2. 必要書類を入手
  3. 運輸支局内で手数料と重量税分の印紙を購入
  4. 申請書類を提出
  5. 車検証の交付
  6. 自動車税・環境性能割の申告
  7. ナンバープレートの受取・封印

1つずつ確認していきましょう。

※あらかじめ検査が終了し、完成検査修了証等の書類があることを前提として解説しています。

検査を受けていない時は運輸支局に車を持ち込んで検査を受ける必要があります。

 

車庫証明を取る

自動車登録の申請には添付書類として車庫証明書が必要です。

車庫証明は管轄の警察署に申請することになりますが、申請と受取で2往復する必要があります。

申請をしてから交付されるまでの期間は、警察署によって若干異なりますが、通常は2日~4日程度かかります。

※車庫証明についてはこちらの車庫証明とは?| 全体像を分かりやすく解説  で詳しく解説しています。

なお、軽自動車の場合は、車庫証明は必要ありません。ただし、ナンバー取得後に警察署に「車庫の届出」を行うことになります。

※詳しくはこちらの軽自動車に車庫証明は必要?普通自動車との違いを解説!  で解説しています。

 

必要書類を入手

新規登録には一般的には以下の書類が必要です。

添付書類として

  • 完成検査終了証
  • 登録識別情報等通知書(中古車)
  • 譲渡証明書
  • 自賠責保険(原本の提示が必要)
  • 印鑑証明書
  • 車庫証明書
  • 委任状

申請書類として(運輸支局や国土交通省のホームページで入手)

  • 申請書(第1号様式)
  • 手数料納付書
  • 自動車重量税納付書
  • 自動車税申告書

上記の書類は所有者と使用者の名義が同じ場合に一般的に必要となる書類です。必要書類は、手続きの種類や各自状況、管轄の運輸支局によって異なってきます。

 

申請手数料印紙と重量税印紙を購入

運輸支局に着いたら、運輸支局内に隣接する別棟などの窓口で登録印紙・重量税印紙を購入し、手数料納付書と重量税納付書に貼り付けます。

重量税は、車両重量や経過年数、エコカーであるかどうかによって変動してきます。

自動車税がいくらかかるかは、こちらの次回自動車重量税額照会サービス(国土交通省)で照会してみましょう。

 

申請書類を提出

準備が整ったら必要書類を提出しましょう。

申請書類をまだ記載していないという場合は運輸支局内にある見本を参考に記載してもいいでしょう。

運輸支局に行く前に申請書類を記載しておくと手続きがスムーズです。

なお、運輸支局での受付は平日のみです。

※月末は混雑するのでできれば避けた方がいいでしょう。3月の最終週は特に込みます。

 

車検証の交付

書類に不備がなければ、車検証(自動車検査証)と標章ステッカー(フロントガラスに貼るもの)が交付されます。

念のため、車検証の記載内容に間違いがないかその場で確かめておきましょう。

 

自動車税・環境性能割の申告

運輸支局内にある税事務所で自動車税申告書を提出し、自動車税および環境性能割を申告納付します。

※環境性能割とは、簡単に言うと燃費のいい車ほど減税される制度です。燃費性能に応じて登録車は0~3%、軽自動車は0~2%課税されます。

 

ナンバープレートの購入・封印

運輸支局内にあるナンバープレート交付窓口でナンバープレートを購入します。

その場で取り付ける必要があるので、当日は車を持ち込まなければなりません。

移転登録や変更登録などでナンバーを変更するという場合は、古いナンバーがついているので運輸支局内に持ち込めますが、新規登録の場合はそもそもナンバープレートがついていないので、そのままでは公道を走らせることはできません。

この場合は、臨時回送運行許可、いわゆる、臨時ナンバーを役所で取得します。手数料は750円です。

※余談ですが、ディーラーの方などがナンバーのない車を日常的に運転するという場合は回送運行許可を取得するのが一般的です。

ナンバープレートは封印が必要

ナンバープレートの取り外しや車両の盗難を防止するためにナンバープレートには封印が必要です。

封印とは、車両後部のナンバープレート左側のボルトにアルミ製のキャップを被せることで容易に取り外しができないようにすることです。

この封印は自分ですることはできません。運輸支局の執行官が行います。

※軽自動車の場合は法的に取り扱いが異なるため封印は必要ありません。

出張封印を利用する

事情があってどうしても運輸支局に車を持ち込めないという場合は、費用はかかってしまいますが出張封印という制度を利用する方法があります。

出張封印とは、行政書士などの出張封印取付作業代行実施者(指定の団体から委託を請けた者)が自宅の車庫などに出向いて封印を行ってくれる制度です。

※出張封印についてはこちらの行政書士による出張封印について詳しく解説で詳しく解説しています。

 

電子申請OSS(ワンストップサービス)とは?

解説したとおり、自動車登録には、車庫証明申請、登録申請、手数料や税金の納付など多くの手続きが必要となります。

しかし、OSSという電子申請を利用するとパソコンからオンラインにより自動車関連の手続きをまとめて行うことができます。

ただし、「車庫証明のみOSSで行う」、「登録手続きのみOSSで行う」ということはできません。自動車関連の手続きを一括で行う必要があります。

また、状況によっては紙申請に比べるとデメリットが発生したり、手続きによっては対応していない都道府県もあるのでよく検討する必要があります。

まとめ

いかがでしたか?

今回は自動車登録の大まかな流れについて解説しました。

自動車登録を行うには、車庫証明申請や保険の加入など事前に必要な手続きがあります。特に車庫証明は手続きのタイミングによっては1週間程度かかることもあります。

また今回解説したのは、新規登録の一般的な流れについてです。手続きの種類や状況によって手続きの内容や必要書類が異なってくるので、管轄の運輸支局で事前に確認を取ることが重要です。

この手間を怠ると、書類不備等で申請が受理されずに再度窓口に足を運ぶということになりかねないので必要書類等は十分に確認をしましょう。

また、軽自動車の場合は、申請先と手続きの内容が異なる点に留意してください。