レンタカー事業で扱う車両が増えたり、特殊な車両を扱うという場合は営業所に整備管理者の配置が必要になることがあります。

この整備管理者は誰でもなれるというものではなく、定められた条件をクリアした者しかなることはできません。

ただし、整備管理者になれる者がいなければ、レンタカー事業の場合は外部に委託することが認められています。

今回はレンタカー事業の整備管理者になるための条件を解説するとともに、外部委託をする場合の注意点について触れてみたいと思います。

整備管理者って?

営業所で扱う車両が増えれば増えるほど、車両の点検と整備に関して管理がどうしても甘くなりがちです。

また、バスや大型トラックなどの特殊な車両の場合は、事故が起きると被害は大きなものとなってしまいます。

そこで、専門的な知識と経験を持つ者を整備管理者として配置することで安全な運行の管理体制を保つことがその目的です。

以下に該当する場合は営業所ごとに整備管理者の配置が必要となります。

  • バス(乗車定員が11人以上の車両)→ 1台以上
  • 大型トラック等(車両総重量8トン以上)→ 5台以上
  • その他の車両 → 10台以上

車両10台というのはあくまで1つの営業所ごとにという意味です。複数の営業所の車両をトータルして10台ということではありません。

 

整備管理者になるための条件は?

整備管理者になるための条件は主に次の2通りあります。

  • 実務経験+研修
  • 自動車整備士の資格

それぞれ具体的に見ていきましょう。

 

実務経験+研修

次の2つのうちのいずれかの実務経験が必要です。

  1. 自動車の点検・整備業務を行った経験が2年以上
  2. 自動車の整備管理の経験が2年以上

※実務経験は車種別に必要です。(単純に二輪自動車か二輪自動車以外の自動車かの違いです。)

1.自動車の点検・整備業務って?

次の2点のいずれかの経験をいいます。

  • 整備工場や特定給油等における整備要員として点検・整備業務を行った経験

※技術上の指導監督的な業務の経験も含みます。

  • 自動車運送事業者の整備実施担当者として点検・整備業務を行った経験

※運送会社でドライバーが日常的に行う点検などの経験も含みます。

2.自動車の整備管理の経験って?

次の3点のいずれかの経験をいいます。

  • 整備管理者の経験
  • 整備管理者の補助者として車両管理業務を行った経験
  • 整備責任者として車両管理業務を行った経験

 

実務経験を証明できる書類が必要

届出の際に、実務経験を積んだことを証明できる書類が必要になります。

具体的に言えば、在職期間や会社名などを記載する「実務経験証明書」というものを提出しますが、会社の印鑑が必要になる点に注意が必要です。

すでに退職をした会社の実務経験をカウントする場合は、その在籍をしていた会社から印鑑をもらわなければなりません。

 

研修について

研修というのは各都道府県の運輸支局で開催される「整備管理者選任前研修」のことです。

実務経験で条件をクリアする場合は、この研修の受講が必ず必要となります。

研修はおよそ2,3カ月に一度開催されます。なお、研修はどこの都道府県の運輸支局で受けても構いません。

また、試験なども特にありません。

 

自動車整備士の資格

1~3級の自動車整備士の国家資格を取得していれば整備管理者の条件をクリアできます。

資格で条件をクリアする場合は「整備管理者選任前研修」の受講は必要ありません。

自動車整備士の資格とは以下のものです。

  • 一級大型自動車整備士
  • 一級小型自動車整備士
  • 一級二輪自動車整備士
  • 二級ガソリン自動車整備士
  • 二級ジーゼル自動車整備士
  • 二級自動車シャシ整備士
  • 二級二輪自動車整備士
  • 三級自動車シャシ整備士
  • 三級自動車ガソリン・エンジン整備士
  • 三級自動車ジーゼル・エンジン整備士
  • 三級二輪自動車整備士

上記の資格によっては「実務経験」や「専門学校等の学歴」など受験資格が必要になります。

詳しくはこちらの国土交通省の受験資格で確認してください。

 

整備管理者を外部へ委託する

冒頭でも言いましたが、レンタカー事業の場合は整備管理者を外部に委託をすることも可能です。

これはレンタカー事業で扱う車両が「自家用車両」に該当するからです。

反対に、「事業用車両」を扱う運送事業では整備管理者の外部委託は認められません。

ここでは外部へ委託をする際の注意点を簡単にですが、以下に挙げます。

1、委託契約書を必ず交わす

  • 委託先の整備不良によって事故が起こることも十分あり得ます。その際に委託契約書で責任の所在を明らかにしておかなければ委託をした側が一方的に責任を負うことになりかねません。

2、委託内容を整備管理規定に明文化する

  • 委託先の事業者と契約時に取り交わした業務内容や責任等の内容を整備管理規定にしっかりと明文化させることが必要です。

3、自社所属の整備責任者も必要

  • 整備管理者を外部に委託をしても、これまで通り自社所属の整備責任者の配置は必要です。連携をして車両管理を行うことになります。

4、委託先の事業者との距離が離れ過ぎていない

  • 当然ですが、事業者間の距離があまりにも離れ過ぎていると、業務に支障が出てしまいますし、委託先の整備管理者として認定されません。

 

まとめ

いかがでしたか?

これから資格を取って整備管理者になるというのは実際ハードルが高いことなので、実務経験でクリアすることが王道です。

ただし、整備管理者になれる者がいなければ、レンタカー事業の場合は外部へ委託することが可能です。

また、一般車両9台までなら整備管理者の配置は必要ありませんが、整備責任者の配置は必要です。(実務経験や資格は問われません。)

外部へ委託するにせよ、自社で配置するにせよ、整備管理者を選任した時は、その日から15日以内に運輸支局に届出が必要です。

届出を怠った場合は、30万円以下の罰金刑が規定されているので、忘れずに必ず行いましょう。