レンタカー許可申請時に「貸渡約款」とういものを提出しなければなりません。そして、許可取得後は「貸渡約款」を料金表とともに営業所において掲示する義務があります。

約款(ヤッカンと読む)というと、普段なかなか聞きなれない言葉ですが、実はこの「約款」、みなさんの身の回りにあふれており、身近に接しているものです。

例えば、クレジットカードを作る時や保険に加入する時にもらう契約内容が事細かに書かれた冊子、インターネットサービスを利用する際、同意「ボタン」と同時に画面に表示される利用約款などもそうですね。

今回はレンタカー事業で必要となる「約款」について解説します。

 

約款は契約書と同じ?

約款とは、契約内容が細かく記載されたものですが、契約書と本質的には違いはありません。

契約というものは、口約束だけでも成立しますが、そもそも契約書や約款は「言った」「言わない」のトラブルを避けるために作成するものです。

契約書や約款にて責任の所在を明確にしておけば、クレームが発生しても解決の拠り所となります。

では、約款と契約書の違いはどこにあるのでしょうか?

約款の特徴

レンタカー事業のように不特定多数の人と取引をする場合は、契約ごとに契約書を個別に作成することは事務的に無理な場合があります。

そこで、大量の契約を効率的に処理するため、万人に通用するようにあらかじめ契約内容をひな形として定式化したのが約款で、契約の度に転用できます。

契約書 約款
対象 個人 不特定多数の人
契約の内容 契約ごとに自由に決めることができる 万人に対して同じ条件、画一的な内容が必要
内容の変更 相手の合意が必要 相手の合意は不要

 

レンタカー事業の貸渡し約款

約款というものが分かったところで、次に気になるのが貸渡約款の内容についてですが、通常は大手レンタカー会社やレンタカー協会の貸渡し約款を参考に作られることが多いようです。

多くの場合、以下の内容について作成します。

  • 予約
  • 貸渡し
  • 使用
  • 返還
  • 故障・事故・盗難時の措置
  • 賠償と補償について
  • 契約の解除
  • 個人情報
  • 雑則(消費税や遅延損害金など)

特に事故や故障、盗難等トラブルに備えてしっかりと責任の所在を明らかにしておくことが必要です。

ただし、あまりにもお客さんに不利な契約内容は法律上、無効となってしまいます。許可申請時に内容が不適切であれば受理されないこともあるので注意しましょう。

また、レンタカー許可申請時に貸渡約款を提出しますが、後で管轄の運輸支局に届出を行うことで約款の内容はいつでも変更が可能です。

 

まとめ

いかがでしたか?

レンタカー許可申請の書類作成で一番手間のかかるのは貸渡約款の作成です。

他社の貸渡約款を参考に作成してもいいのですが、簡単にそのまま取り入れるとサービスの実態と約款の内容にズレが生じてしまう可能性があります。

あくまで、大枠とまとめ方を参考にする程度にして、面倒でも一文ずつ確認をしながら自社のものに合うようにカスタマイズしてください。

また、この記事でも解説したとおり、約款の最大の目的はトラブルの予防にあります。事業運営のリスクを避けるためにも、妥協をせずにしっかりと内容を吟味して作成しましょう。

「時間がないという場合」や「どうしても作れないという場合」は専門家に相談をするのも1つです。