レンタカーの許可申請には、申請書類を提出する必要があります。

さらに申請書類とは別に添付書類が必要となります。

今回はレンタカー許可申請で必要となる申請書類と添付書類について記入例も併せて分かりやすく解説します。

レンタカー許可申請の必要書類

レンタカー許可申請で必要となる申請書類と添付書類は以下のとおりです。

【申請書類】

  • 自家用事業自動車有償貸渡許可申請書
  • 宣誓書
  • 事務所別車種別配置車両数一覧表
  • 貸渡しの実施計画

【添付書類】

  • 料金表及び貸渡約款
  • 法人登記簿謄本(法人の場合)
  • 住民票(個人の場合)

申請書類と添付書類ごとに具体的に見ていきましょう。

 

申請書類について

申請書類は全部で4枚あって、提出先である運輸支局の窓口で直接入手するか、もしくは、各都道府県の運輸支局のホームページでもダウンロードできます。

それでは1枚ずつ詳しく見ていきましょう。

自家用事業自動車有償貸渡許可申請書

※申請書類は大阪府運輸支局のものを使用しています。

氏名又は名称

個人の場合は、屋号と氏名を記入する。

②押印について

法人は代表者印を押印する。

個人は認印を押印する。

③貸渡しを必要とする理由

レンタカー事業を始める動機について記入する。

※動機記入例は大阪府運輸支局のサンプルから抜粋しています。

 

宣誓書

宣誓書は、レンタカー許可の要件である「欠格要件」に該当していないことを誓うために提出する書類です。

欠格項目のいずれか1つでも該当していると、レンタカー許可は申請できません。

内容をよく確認し、記名押印します。

欠格要件についてはこちらの3分で理解できるレンタカー許可基準(要件)のすべてで詳しく解説しています。

※申請書類は大阪府運輸支局のものを使用しています。

①氏名又は名称

個人の場合は、屋号と氏名を記入する。

②押印について

法人は代表者印を押印する。

個人は認印を押印する。

③(役員(法人の場合)

法人の場合は、役員全員分の氏名の記載と認印の押印が必要。

 

事務所別車種別配置車両数一覧表

営業所ごとに配置する車両を車種別に記入します。

車両数はあくまで登録する予定のもので結構です。

レンタカーの登録は許可後にすることになります。

 

貸渡しの実施計画

①従業員への指導・研修の計画等

デフォルトで上記の定型文が始めから記載されています。

この記載例をそのまま使用してもいいですし、独自の内容に変更しても大丈夫です。

②保険の加入状況・加入計画

任意保険の加入が義務付けられています。

最低限以下の補償額が必要です。

  • 対人保険:1人につき8,000万円以上
  • 対物保険:1事故につき200万円以上
  • 搭乗者保険:1人につき500万円以上

上記の補償額を下回っていなければ、許可は下りますが、対人保険と対物保険に関しては、無制限とするのが望ましいです。

③整備管理者(整備責任者)の配置計画等

規定の車両数を超えると「資格」や「実務経験」のある整備管理者の選任が必要です。選任届を運輸支局へ届出ます。

※規定の車両を超えなければ、整備責任者を選任するだけで大丈夫です。この場合は、資格等はとくに必要ありません。

「整備管理者」についてはこちらのレンタカー事業 | 整備管理者になるための条件と外部委託についてで詳しく解説しています。

 

添付書類について

添付書類は自分で作成する必要のある料金表貸渡約款、そして、公的書類である登記簿謄本(法人)住民票(個人)が必要になります。

1つずつ確認していきましょう。

 

料金表

車種ごとの料金表が必要です。

事業開始時に料金を設定したいという人もおられるかもしれませんが、申請の段階で料金表を設定する必要があります。

ただし、料金表は、許可後に運輸支局に届け出をすることで変更することができます。

 

貸渡約款

貸渡約款とは、貸し出す際のルールを定めたもので、使用上のルールだけでなく、事故時の対応や禁止事項まで様々な決まり事を詳細に作成しなければなりません。

通常は、A4サイズで10枚程度で作成しますが、義務だから作成するというのではなく、お客様とのトラブルを避けるためにも妥協せずにしっかり作成する必要があります。

ここが書類作成で1番労力のかかる作業になるかもしれません。

約書と約款の違い

レンタカー事業のように不特定多数の人と取引をする場合は、契約ごとに契約内容を個別に契約書として作成することは事務的に無理があります。

そこで、大量の契約を効率的に処理するため、万人に通用するようにあらかじめ契約内容をひな形として定めたのが約款で、取引の度に転用できます。

 

下記に大手レンタカー会社の貸渡約款のリンクを貼っていますので参考にしてください。

 

登記簿謄本と住民票

法人の場合は登記簿謄本、個人の場合は住民票が必要です。

登記簿謄本は法務局、住民票は市町村役場で取得します。

登記簿謄本は、事業目的欄に「レンタカー業」や「自家用自動車有償貸渡業」といった記載が必要です。

これらが事業目的になければ一切受け付けてもらえない運輸支局もありますが、運輸支局によっては許可が下りるまでに事業目的を追加した登記簿謄本を改めて提出すれば申請自体は受け付けてもらえるということもあるので、事前に確認しましょう。

 

まとめ

いかがでしたか?

申請書類の作成自体はそんなに難しくはありません。

やはりネックとなるのは、添付書類である「料金表」と「貸渡約款」の作成です。

特に「貸渡約款」の作成については頭を悩ます人も少なくありません。

くれぐれも面倒だからといって形式的に作成するのは避けたいところです。

禁止事項や重大な事故に備えて内容をよく吟味して作成する必要があるからです。

どうしても「貸渡約款」の作成に頭を悩ますようなら、行政書士などの専門家に依頼するのも1つです。