レンタカー事業をこれから0から始める場合やそもそも店舗経営の経験がないとういう場合は、それなりに試行錯誤しながら進めていかなくてはなりません。

しかし、フランチャイズ(以下、FC)に加盟すれば、過去の成功ノウハウを試すことができるので、できるだけ早く経営を軌道に乗せることができますし、成功する確率もぐっと高くなります。

ただし、FCに加盟すると、独自性が出しづらかったりといくつかのデメリットもあるのも事実です。

自社の店舗経営においてこのデメリットが上回れば、フランチャイズ契約は向かないということになります。

今回はレンタカー事業でフランチャイズに加盟するメリットとデメリットを詳しく解説します。

フランチャイズに加盟するメリットは?

集客に有利

個人で開業すると、広告を打ったり、ホームページを開設するなど全て自分で営業を行わなければなりません。

FCに加入すれば、集客の面では圧倒的に有利です。大手であれば知名度がありますし、信頼性が高く多くのリピートも見込めます

またWEB集客に力を入れているFCも少なくなく、本部のホームページから自動的に集客をしてくれるところも少なくありません。

 

コールセンターシステムの完備

多くの場合、予約の申し込みや問い合わせ、送客の対応は本部のコールセンターが全て代行してくれます。

また他にも、事故やトラブル時の対応など様々な対応を本部が代行してくれるので、店舗業務のみに専念できます。

 

車両の調達をサポートしてくれる

車両はある程度の品質を維持した上でできるだけ低価格のものを購入する必要がありますが、必要分の車両を短時間で調達するのは簡単なことではありません。

特に異業種からの参入だと目利きが難しいでしょう。

FCによっては車両の調達をサポートしてくれるところもあり、適正な価格・品質の車両が手に入る可能性が高くなります。

なかにはリースが可能なところもあります。

 

各FCの特徴を生かした集客が可能

FCによってそれぞれ特徴や強みが大きく異なってきます。

例えば、「介護レンタカーを扱っている」、「観光地の店舗経営に絞っている」、「貸出期間を中長期に設定している」、「WEB集客に特化している」、「無人店舗が可能」、「低価格を売りにしている」などFCによって様々な特徴があるので、自社の戦略にあったFCを選択することが可能です。

 

人件費が削減できる

コールセンターの完備や車両の長期貸し出しなどFCの特徴やサポート内容によっては少人数での店舗業務が可能です。

場合によっては、ワンオペレーション制といって1店舗につき1人で運営をすることも可能です。

 

保険の割引等がある

レンタカー事業を行うには任意保険の加入が必須です。

FCに加盟する場合は、FC本部が一括で保険契約をしていることもあります。このようなことから、通常より保険料が安くなったり、保険料増加のリスクが低くなります。

 

無店舗型の営業が可能

FCによっては自動貸渡機を導入することで無店舗での営業が可能なところもあります。

この場合、最低限の駐車スペースがあれば大丈夫です。

無店舗型の場合、洗車や整備点検時以外は無人での営業が可能ですし、24時間の営業が可能となります。

 

開業サポートがある

大手FCでは開業前に物件調査や市場調査を行ってくれるところがほとんどです。また研修制度や業務マニュアルなども完備されているので、異業種からの参入でも安心です。

なかには、融資の際に必要となる事業計画書の作成をサポートしてくれるところもあります。

また、開業後も担当者が経営状況を確認をしてくれますし、疑問点やトラブルがあればいつでもアドバイスを得ることができます。

 

レンタカー許可申請のサポートがある

レンタカー事業を開始するには、運輸支局にてレンタカー許可を取得しなければなりません。

レンタカー許可申請は、申請書の作成だけでなく、貸渡約款の作成など労力のかかる書類の作成が必要です。

FCに加盟すれば、本部において許可申請をサポートをしてくれます。

 

 

フランチャイズに加盟するデメリットは?

加盟料とロイヤリティがかかる

FCに加入するには加盟料をはじめ、ある程度の費用が必要となります。

加盟料はピンキリで30万円~300万円とFCによって大きく異なってきます。

さらに加盟料の他にも初期システムメンテナンス料や研修費などがトータルで10万円~100万円くらい必要となることも少なくありません。

また、通常はロイヤリティといって月額3万円~10万円程度必要になります。

FCが大手であればあるほど、また、サポートが手厚いほどそれだけこれらの費用は高くなる傾向にあります。

 

オリジナリティーが出せない

FCに加盟すると運営ノウハウの提供を受けることができる反面、本部の決めた運営方法やルールに則った運営をする必要があります。

そのため、独自のアイデアを持っていてもそれを実践することは難しく、店舗経営の自由度は低くなってしまいます。

例えば、料金やキャンセル料などはあらかじめ決められていることがほとんどです。

 

競合避止義務を負う

本部のノウハウ流出を避けるために契約終了後に競合避止義務が課せられる可能があります。

例えば、「本契約終了後の2年間は、同一地域で、同一の営業をしてはならないものとする。」というような一文が契約書に記載されることが少なくありません。

通常、期間は1、2年で設定されます。また、競合避止義務に違反した場合のペナルティが課せられることもあります。

競合避止義務を負う期間と場所はどこまでなのか、またどのようなペナルティが課せられるのか契約前にしっかり確認しておくことが必要です。

 

途中解約に伴う違約金が課せられる

契約期間の途中で契約を解除をすると違約金が発生することがあります。

高額な違約金が設定されていないか契約前に確認が必要です。

 

まとめ…フランチャイズの選択は慎重に

いかがでしたか?

今回はFCのメリットとデメリットの大まかな部分を解説しました。FCによってサポート内容は異なってきます。

FCの選択は、本当に自社に合っているか、十分な開業資金を用意できるかなど様々観点から慎重に検討する必要があります。

本部の部門責任者(できれば社長)と面談をした際は、経営理念などの確認はもちろん、一方的に話を進めていないか、加盟店にしっかり目を向けてくれているのか注意深く確認をしましょう。

過大な収益モデルや事業計画を提示されることもあるかもしれません。

極端なことを言えば、加盟料やロイヤリティが目当てだけの悪質な業者も少なからず存在するからです。

また、契約書の確認も重要です。

契約書の内容に不利な条件がないかしっかり確認をすることが必要です。

本部からいろいろ話を聞くとすべて分かったような気になってしまいがちです。

契約書は法律用語が混ざるので確認するだけで一苦労ですが、契約後に「話が違う」となっては後の祭りです。

分からないところは曖昧にせず、一字一句読み込むつもりで完全に納得をしてから契約をするようにしてください。

どうしても分からない箇所は、本部担当者や経験者、専門家等に聞くなどして必ず解決してください。